すっかり春の陽気となった3月24日、今年度のAGGN主催講演会が開催されました。 講師は、本会の顧問であり、長年にわたって通訳活動やディベート教育に携わってこられた松本道弘氏で、たいへん大きな会場に100人を超す聴衆が集まりました。 演題は 「日本文化を伝える英語」 ということでしたが、内容は非常に多岐にわたるテーマで、英語と日本語によるお話を伺うことができました。
我が国では青色と緑色という色の区別が曖昧であるけれど、欧米でははっきりしていて、近くのものは緑、遠くのものは青と表現するのが一般だというお話や、卑近な例では 「the other と another の違い」 など、英語表現の微妙なニューアンスについてのお話は、日ごろ英語圏で生活していない私たちにとって、的確な言葉を使うことが如何に難しいかをあらためて痛感させられた1時間半でした。
お話の内容が 「日本文化を伝える英語」 ということに絞られていなかったことや、会場の最前列にいた人たちとのディベートの際にはマイクの使い方の不慣れから内容が聞き取れないことも時々あったことが残念でしたが、参加したそれぞれの人が得るものも多かった講演会であったと思います。
(中田 記)
2月4日(日)、第6回研修会 「より英語らしい発音を身に付けるための音節ワークショップ」 が開催され、一般の参加者を含め50人を超える会員が参加し、プロセス英語会の 天満 嗣雄 先生 のお話を伺いました。
抑揚のない、ほとんど口先での発声の日本語と比べると、英語の場合は、1)もっと喉の奥の方まで音を響かせて発音する、2)アクセントを付けて強調すべき部分は、音を大きくするのではなく少し高い音程でゆっくり発音する、3)英単語は子音で終わるものが多いが、そのあとに母音で始まる単語が続く場合には“音”としての繋がりを意識して発音する、などなど、これまであまり気づかなかった英語発音上の注意点を具体的な多くの例を示して指摘され、先生の軽快な口調のお話で2時間があっという間に過ぎました。
今回の研修によって、なるべく聞き手に負担をかけない聞き取りやすい話し方でのコミュニケーションが出来るようになれば、私たちのガイド活動も一段とレベルアップするものと期待されます。(中田 記)
本年度第5回目の研修会は、彦根城と安土城址へのバス研修でした。午前中は、42名の参加者が5グループに分かれ、地元のボランティアガイドの方々のご案内で、国宝彦根城と、名勝庭園玄宮園、彦根城博物館を見学しました。天守からの絶景や、建物はもちろん石垣や堀の美しさにも感動しつつ、彦根城の歴史や城郭建築などについて、たくさん学ぶことができました。
お昼は堀にかかる京橋から伸びる「夢京橋キャッスルロード」で地元の名産を活かしたランチを楽しんだ後、午後はまぼろしの城とも言われる安土城天主の5、6階部分が再現され映像も楽しめる展示館「安土城天主信長の館」と安土城址を訪れ、安土城についてのイメージを膨らませました。初冬ではありながら晴天に恵まれ、たいへん充実した研修でした。
(松川 記、写真提供 松川)
10月1日(日)、AGGN会員で通訳案内士の 堀 英子 氏 を講師にお迎えし、今年度の第4回研修会 「有松ガイド はじめの一歩・・・まずはここを紹介しよう」 と題した研修が行われました。参加者は 非会員1名を含め会員30名でした。
堀 先生 は、お住まいの岐阜で茅ヶ崎方式岐阜駅前校を主宰されるほか中日文化センターなどでも講師としてご活躍で、スピード感に溢れる研修でした。
有松という町が何故この地にできたかという歴史から始まり、有松絞りを作って販売するようになった理由や、旧東海道の街並みが残る有松の町と古い建物に工夫されている様々な防火対策、3台の山車の特徴など、たくさんのことを学びました。
そのあと、参加者は5グループに分かれ、有松天満社の例祭で大勢の人が行き交う実際の街並みを歩き、研修前半の座学で学んだ英語表現を思い出しながら、2人づつがペアーとなって互いに決められた場所で2分間ガイドし合い、この日の勉強の成果を確かめました。(中田 記)
8月20日(日)、広島大学大学院の三浦正幸教授を講師にお迎えし、今年度の第3 回研修会 「近世城郭の最高傑作、名古屋城本丸御殿を語る」 と題したお話を伺いました。参加者は 会員50名、非会員10名でした。
三浦先生は、日本の城郭建築研究の第一人者で、名古屋城が日本の他の城と比べてどのような点で優れているか、そして特に、名古屋城の本丸御殿がいかに素晴らしいかを、御殿建築の時代背景の検証を交えながら、9ページにわたる資料を基に休みなく熱く語られました。
ふだん私たちが名古屋城をガイドしていても知らなかったこと、例えば本丸御殿では武者隠しなどは実在しなかったこととか、部屋を仕切る襖の上部の壁が白塗りであったらその襖は開けてはならないとか、長押(なげし)の上の欄間が筬欄間(おさらんま)であるのは部屋に座った時に筬欄間の隙間を通して格式の高い隣の部屋の天井が見えるような工夫なのだ、などなど、たくさんの参考となる内容のお話に、2時間があっという間に過ぎ、もっと時間があったらと残念なくらいでした。(中田 記)
7月22日(土)、今年度の第1回交流会 「石垣刻紋の拓本を採ろう」 が行われました。
参加者は外国人6名、子供3名を含む 会員10名、非会員11名でした。
この交流会は今年で6年目になる夏の恒例行事で、毎年、名古屋城振興協会の方たちが紙やインクなどの道具一式を準備してくださり、親切に指導してくださいます。子供たちも、夏休みの宿題の一つができたと喜んでいました。
毎年のことなのですが、日本人よりも外国の人の採った拓本のほうがきれいなのです。
振興協会の方たちも 「毎年どうして外国人のほうが上手いのかね。」 と不思議がっておられました。
拓本作業の後は、二の丸茶亭で暑さを冷まし、楽しく歓談しました。
(山田さつき 記、写真提供 山田さつき)
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セミがにぎやかに鳴き始めた7月15日、名古屋市熱田区の白鳥庭園で43名の会員が参加し本
年度の第2回研修会が行われました。今回の研修会では、入会して間もない会員や、これから白鳥庭園のガイドを始めたいという会員が、講師役の会員の英語ガイドで園内を周り、その後、建物の中に入って質疑応答が行われました。
最後のまとめの中で担当理事からは、わかりやすいガイド英語とは、きちんと主語と述語を備えた英語であること、高すぎたり低すぎたりすることのない落ち着いたトーンで話すことが必要であり、また同時に、日ごろから様々なことに興味を持って自分の知識の引き出しを豊かにしておくことも大切である
など、今後のガイドに役立つアドバイスをいただきました。
この日に備えて何度も現地に足を運び練習を積んでガイド役を務めてくださった講師の会員の皆様など、多くの方々の協力で良い研修会となりました。 (松川 記、写真提供 松川)
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5月14日、2017年度の第1回研修会 「ボランティアガイドの目指すもの」 が年次総会のあとに引き続きウィルあいち3階の会議室で行われました。今回の講師は AGGN理事長の 大角佳生 氏 と 理事の 山田さつき 氏、テーマは 「ボランティアガイドの目指すもの」 でした。
先ず大角理事長は、AGGNの発足から現在に至るまでの沿革の概略を年代を追って説明され、AGGNがこれまでに残してきた足跡を総括されました。愛知県の 「あいち観光ボランティアガイドの会」 は、現在55団体を擁し、ボランティアガイドの数が全国一ですが、AGGNはその中で唯一の外国語対応の団体であり、今後のますますの活動への期待を強調されました。
続いて理事の山田さつき氏から、具体的に名古屋城の定期ガイドに関する現状報告と、ガイド内容についてのコメントがあり、今年度はガイド個々人のガイドレベルの向上のため 「ステップアップ研修」 を行うというご提案について具体的な説明がありました。本年度の総会においても、年次計画としてガイドレベルの向上という方針が承認され、特に最近は新しく入会される会員の数も非常に増えているので、これらの研修によってAGGNのガイド活動がますます活発になると期待されます。 (中田 記)
5月14日、2017年度の年次総会がウィルあいち3階の 会議室 4 で行われ、次の議題が審議・可決されました。(中田 記)
1) | 2016年度 事業報告 |
2) | 2016年度 収支決算報告および監査報告 |
3) | 2017年度 事業計画 |
4) | 2017年度 収支予算 |
5) | 2017年度 役員 |