第 4 回研修会(7 月23日開催)
テーマ:「障壁画における日本と世界」名古屋城本丸御殿を中心に。
第 4 回研修会がオンラインで開催されました。
内容:名古屋城障壁画の専門家である講師より日本画の基本的知識を学びました。
私たちが日本画を鑑賞する時は、四季折々の花鳥風月をあるがままに美しいと感じ、伝統的な描写方法もそれが日本特有の美であると受け入れていますが、洋画を見慣れたゲストがその美しさや絵画から受ける印象は一般的な日本人の美意識とどのように違うのでしょうか。
講演会では障壁画の第一人者朝日学芸員から、日本画と世界の絵画について描写手法の違いや類似点などを教えていただき、広い視点からわかりやすい説明ができるように学びました。
講演は約1時間、質疑応答30分程度で、詳細情報も教えて頂きました。
「質疑応答」
(Q)入室する時は座って見る方が良いでしょうか?
(A)状況により難しい場合もありますが、出来れば座って見るほうが良いでしょう。
(Q)上洛殿は奥に行くと暗くなりますね?
(A)2枚の舞良戸の間には明かり障子が有り、明り取りが出来ます。
(Q)上洛殿の長押の上に、蒔絵と金具が有りますが?
(A)何故そうなっているかは、よく分かっていません。
(Q)上洛殿の長押の上の絵にはテーマが有りますか?
(A)長押の下の絵と連携しています。
(Q)被災前にどんな物を、何処へ、誰が移動しましたか?
(A)外せるものは出来るだけ外し、大きいものは乃木倉庫へ、小さいものは東南隅櫓へ、名古屋城事務所の方により移動されました。
寄せられました声の一部です。
(皆様の声1)襖の開け閉めによって光景が変わるというのは大変面白いと思いました。絵師の方はそこまで考えて描いていらっしゃるのですね。
(皆様の声2)襖の絵が繋がっていること、そして隣の部屋との兼ね合いなど今まで知らなかったことを学ぶことができました。
(皆様の声3)襖絵の大きな構図がより把握できました。細かい疑問がいろいろ解決しました。
(皆様の声4)とても興味深く拝聴いたしました。ますます名古屋城に魅力を感じます。
ご参加の皆様、お疲れ様でした。
講師:名古屋城調査研究センター学芸員 朝日美砂子氏
名古屋市博物館、名古屋城、名古屋市秀吉清正記念館を経て、現在は名古屋城調査研究センターで重要文化財本丸御殿障壁画の調査研究等に従事。
実施方法:オンライン
当日のリンク情報&事前資料は事務局から参加者にメールで配信しています。
オンライン講演会では、資料の拡散防止と著作権保護の観点から録画禁止とします。そのため、今回のオンライン講演会では、AGGNのホームページに講演会の動画を掲載することができませんので、ご了解下さい。
担当理事:鶯巣すみ子(◎)、松川玲子