2013年度 第6回研修会 「本丸御殿の障壁画について」 2014年2月2日
2月2日(日)、今年度最後の第6回研修会として、名古屋城総合事務所学芸員の朝日美砂子氏をお招きし、名古屋城本丸御殿の障壁画のお話を伺いました。
40人を超える会員・一般の参加者が会場いっぱいに集まる盛況でした。
お話は先ず日本の普通の住居と本丸御殿を比較しながら、現代と古い時代の建築構造上の違いから始まり、本丸御殿が造られた頃は、それぞれの部屋が障壁画という形で仕切られていること、障壁画は各部屋に登場する人物の「格」によって決まる部屋の「格」と密接に関係し、どちらの側からどのように見えるかを注意深く配慮して描かれていること、またそれは障壁画の描かれた扉を閉じた時のみでなく、扉を開けた時にも考慮されていることなどを、具体的な例を示しながらわかりやすく説明されました。
そしてその「格」は、障壁画に留まらず、欄間や天井の構造、ふすまの鍵に至るまで厳密に守られていることなどを指摘され、また参加者からのたくさんの質問にも的確にお答えくださいました。
今回の研修会の内容は、本丸御殿を今後ガイドする場合に参考になることばかりで、たいへん有意義な研修会でした。(中田 記)